階乗冪
数学、とくに離散数学の各分野における階乗冪(かいじょうべき、英: factorial power[1]) は、冪乗によく似た演算だが、階乗のように因子が 1 ずつずれていく。階乗冪には下降階乗冪 (falling factorial) [* 1]と上昇階乗冪 (rising factorial) [* 2]とがある。また、両方向へずらしながら積をとる類似の概念に、中心階乗冪 (central factorial) がある[2]。
階乗冪は冪あるいは冪函数の類似であり、特殊函数論あるいは組合せ論に広く応用を持つ。
定義
以下、x は必ずしも自然数でない実または複素数数値の変数(あるいはより一般の環の元でもよい)とし、n は自然数とする。
- 上昇階乗冪
- x を底とする上昇 n-乗とは
階乗冪函数
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/01/22 10:08 UTC 版)
下降階乗に関しては単純な規則が存在する。任意の整数 m に対して x m _ = x ! ( x − m ) ! = { x ( x − 1 ) ⋯ ( x − m + 1 ) ⏞ m factors for m ≥ 0 1 ( x + 1 ) ( x + 2 ) ⋯ ( x − m ) ⏟ | m | factors for m < 0 {\displaystyle x^{\underline {m}}={\frac {x!}{(x-m)!}}={\begin{cases}\overbrace {x(x-1)\dotsb (x-m+1)} ^{m{\text{ factors}}}&{\text{for }}m\geq 0\\[5pt]\underbrace {\frac {1}{(x+1)(x+2)\dotsb (x-m)}} _{|m|{\text{ factors}}}&{\text{for }}m<0\end{cases}}} と書くことにすれば、和分差分学における振る舞いを Δ ( x m _ ) = m x m − 1 _ {\displaystyle \Delta (x^{\underline {m}})=mx^{\underline {m-1}}} ∑ a b x m _ δ x = { [ x m + 1 _ m + 1 ] a b when m ≠ − 1 [ H x ] a b when m = − 1 {\displaystyle \sum \nolimits _{a}^{b}x^{\underline {m}}\,\delta x={\begin{cases}[{\frac {x^{\underline {m+1}}}{m+1}}]_{a}^{b}&{\text{when }}m\neq -1\\[8pt][H_{x}]_{a}^{b}&{\text{when }}m=-1\end{cases}}} のように表すことができる。ここに Hn は n-番目の調和数である。この意味で、調和数は自然対数の離散版となるものということになる。 Δ ( x ⋅ H x − x ) = H x {\displaystyle \Delta (x\cdot H_{x}-x)=H_{x}} なることも用いた。
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