陪審審理の要否
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/08/19 15:33 UTC 版)
現在、アメリカ合衆国においてコモン・ローとエクイティの違いで最も重要な点は、陪審審理が認められるか否かという問題である。 アメリカでは、連邦裁判所における民事訴訟で陪審の審理を受ける権利は、アメリカ合衆国憲法修正7条により保障されているが、そこで陪審審理が保障されている民事訴訟とは、同条項が批准された年である1791年当時、イギリスでコモン・ロー上の訴訟とされていたものを指す。 連邦最高裁の判例によれば、ある制定法に基づく訴訟がコモン・ロー上のものかエクイティ上のものかを判断するには、(1)まず、その訴訟と、18世紀当時、コモン・ローとエクイティが一緒になる前のイギリスの法廷で起こされていた訴訟とを比較して、どちらの類型とより類似するかを判断する必要がある。(2)次に、求められている救済方法を審査し、その性質上コモン・ロー上のものであるかエクイティ上のものであるかを判断する必要がある。救済方法が、金銭賠償だけである場合には純粋にコモン・ロー上のものであり、陪審の権利が認められるのに対し、差止命令、契約解除、特定履行のような非金銭的救済はエクイティ上のものであるから、陪審ではなく裁判官の判断に委ねられる。
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