鑑識官と法科学者の役割
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/02 01:04 UTC 版)
犯罪や事件が起きた時、鑑識官(アメリカではおもに「フォレンジック担当官」またはCSI=犯罪現場捜査官・犯罪現場分析官に相当する)がまず現場に到着し、現場保存、現場写真の撮影、現場観察、現場資料の採取および押収などを行う。その中で、一般的な分析は鑑識官が行い、必要に応じて専門分野の法科学者が資料の調査・分析などを担当することになる。高度な分析はおもにアメリカではFBIの研究所、日本では科学捜査研究所や科学警察研究所と協力して行われる場合が多い。日本において、鑑識官とは警察に所属する地方公務員の警察の職種名であり、鑑識については警察学校で学ぶ。一方、法科学者とは法科学専門分野の博士号などを取得している鑑識関係の業務に就くもの(民間を含む)といったニュアンスである。 法科学者は、科学的な証拠を集め、保全し、分析、研究を行う。しばしば犯罪現場に自ら赴き証拠を収集する場合もあれば、研究室で分析を担当する場合もある。場合によっては、専門家の立場から分析結果について裁判で証言することもある。 なお、鑑識官や法科学者は(後述する)テレビや小説と異なり、本来は犯罪捜査において分析や研究を担当し、捜査を担当するのは刑事や検事(アメリカでは加えて保安官や連邦捜査官など)である。ただ、日本では警視庁特別捜査官として、法科学の中の一分野であるデジタル・フォレンジクスを専門に担当する「科学捜査官」なる肩書が存在する。
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