鉄鉱石の形成
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/07/25 02:12 UTC 版)
地球の誕生当時、大気、海中の酸素分子比率は極めて低く、酸素原子のほとんどは、水素、炭素などと結びついていた。このため、無酸素状態の酸素還元的な環境や酸性雨によって地表の鉄分は、鉄イオンとして大量に海水に溶解していた。また、海底火山によって地球内部の鉄が噴出して、鉄イオンが海に供給された。 約22–27億年前に、シアノバクテリアやストロマトライトのような光合成生物が大量発生して酸素を吐き出したため、大気中・海水中の酸素濃度が高まった。この酸素が海水中の鉄イオンと結びつき、それまで海水中に溶解していた鉄イオンを、酸化鉄 (Fe2O3) に変えた。酸化鉄は沈殿・堆積して、広大な赤鉄鉱の鉱床を形成した。 その後、造山運動により海底にあった鉱床は隆起し、地上に押し上げられた。現在の主要な鉄鉱石鉱山はこのようにして形成された。 酸素が少なく温度の高い地下深くでは、鉄は磁鉄鉱となった。
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