金額+からお預かりします
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/01/04 02:19 UTC 版)
「バイト敬語」の記事における「金額+からお預かりします」の解説
会計時に金銭を受け取る際、「○円、お預かりします」ではなく「○円からお預かりします」と言う。 1万円からお預かりします。 この場合、客が端数の細かい金額を足し合わせようと財布の中を覗き込んでいながら、どうも足りなさそうなので店員側で「もう1万円から計算してしまいますよ」と確認するニュアンスを持つ。このため「急かされている」「決め付けられている」と不快に感じる聞き手がいる。 森山(2001)によると「〜から」は「計算の起点」を表している。しかし、その場合「〜から」が使用される時は「お釣りが出る場面」であると考えられ、お釣りが出ない場面での使用(「9650円ちょうどからお預かりします」)は説明できない。「クレジットカードからお預かりします」の用法も報告されている(飯田2002a)。 岩松(2001:26-28)によると、「〜から」は「1万円からでよろしいですか」と「それでは1万円お預かりします」の両者がつながった物である。「1万円からお預かりします」の用法は個人商店が多かったかつての日本にはなかった表現である。個人商店では受け取ったお金は店主のものになるので「(9650円頂きますがそのまえに)1万円お預かりします」と直接的な語法となっていた。ところがアルバイトはあくまで「店主と客のお金をめぐる仲介人」であるためこのような曖昧な語法が生じたと考えられる。 北原(2005:10-16)は、「〜から」は「まずは1万円から」「とりあえず1万円から」という意味である可能性を指摘している。「1万円からお預かりします」は「まずは1万円から、代金を仮にお預かりします」という店員の気持ちからの発言であると考えられる。
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