量子暗号との関係
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/06/29 20:44 UTC 版)
「ワンタイムパッド」の記事における「量子暗号との関係」の解説
ワンタイムパッドの最大の難点であり弱点は、事前に十分な量の秘密情報を共有しなければならない点である。ここで、なぜ「事前に」でなければならないか、ということを考えると、本文の通信時に、同時に同じだけの情報量の鍵を送っても安全なような秘匿性の高い回線があるのならば、そちらで本文ごと送ってしまえば良いからである。 そのため、ワンタイムパッドの最も多い利用法は、暗号の本文ではなく、鍵配送問題の解決である。一般に鍵配送問題の解決は困難だが、一般の暗号では鍵は本文に比べごく小さいのであるから、その鍵だけを確実に安全に送受信するためにワンタイムパッドを使用する。この場合、量は多くないものの、秘密情報の事前の共有は必要である。 量子暗号と総称される分野の研究の目的はさまざまであるが、実現が目指されていることのひとつに、事前の手続きに依らない情報の共有がある。それを利用することにより、前述した、ワンタイムパッドを利用した鍵の通信と同等のことが、事前の秘密情報の共有を必要とせず実現できる。量子の性質を利用した暗号プロトコルが量子暗号プロトコルであるが、その一つであるBB84などは、そのような事前の共有なしの情報共有を利用したプロトコルである。(It is usually explained as a method of securely communicating a private key from one party to another for use in one-time pad encryption. (英語版WikipediaのBB84の記事より))
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