量化の範囲
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/08/01 08:00 UTC 版)
それぞれの量化は、1つの特定の変項に関するものであって、その変項の「議論領域」あるいは「量化範囲」に関するものである。量化範囲はその変項がとりうる値の集合を指定する。上の例で言えば、量化の範囲は自然数の集合である。量化の範囲の指定により、ある述語が自然数についてのものであるとか、実数についてのものであるといった違いが表現可能になる。説明的な慣習として、"n" を自然数、"x" を実数を表す変項とすることもあるが、そのような命名規則だけに依存することは推奨できない。 議論領域を制限するより一般的な方法として「ガード付き量化」がある。ガード付き量化とは、次のような文である。 ある自然数 n について、n は偶数で、かつ n は素数である。 次も同じ意味である。 ある偶数 n について、n は素数である。 数学の理論によっては、議論領域を1つに固定することがある。例えば、ツェルメロ=フレンケルの集合論では、変項の範囲は全ての集合である。この場合、ガード付き量化子は、量化の範囲を狭めるときに使われる。すると、上記の例は次のように表される。 任意の自然数 n について、n·2 = n + n ツェルメロ=フレンケルの集合論では、次のように表される。 任意の n について、n が N に属するとき、n·2 = n + n ここで、N は全自然数の集合である。
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