重調和方程式とは? わかりやすく解説

重調和方程式

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2014/01/02 05:18 UTC 版)

数学における重調和方程式とは、次のように書かれる4階の偏微分方程式である:

ここで ∇4 は4階の偏微分作用素、またはラプラス作用素の自乗で、重調和作用素として知られている。

例えば、3次元デカルト座標系では重調和方程式は次の形になる。

重調和方程式の解は重調和関数と呼ばれる。どんな調和関数も重調和であるが、逆は真ではない。

重調和方程式は連続体力学の分野(線型弾性理論における応力関数や流体力学におけるストークス流れの解など)において現れる。

2次元空間

2次元の場合の一般解は

ここで 調和関数 の調和共役である。

2変数の調和関数は複素解析関数と深く関わりを持つが、2変数の重調和関数についても同じことが言える。2変数の重調和関数の一般形は次のように書ける:

ここで 解析関数である。

2次元の極座標系では、重調和方程式は

となる。これは変数分離法によって解ける。その結果はミッシェル解と呼ばれる。

n 次元ユークリッド空間において、

ただし

は、n = 3, 5 のときのみ、重調和方程式となる。

参考文献

  • Eric W Weisstein, CRC Concise Encyclopedia of Mathematics, CRC Press, 2002. ISBN 1-58488-347-2.
  • S I Hayek, Advanced Mathematical Methods in Science and Engineering, Marcel Dekker, 2000. ISBN 0-8247-0466-5.
  • J P Den Hartog (Jul 1, 1987). Advanced Strength of Materials. Courier Dover Publications. ISBN 0-486-65407-9. 

関連項目

外部リンク


重調和方程式

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2019/10/16 09:32 UTC 版)

基本解」の記事における「重調和方程式」の解説

重調和方程式 [ − ∇ 4 ] Φ ( x , x ′ ) = δ ( x − x ′ ) {\displaystyle [-\nabla ^{4}]\Phi (\mathbf {x} ,\mathbf {x} ')=\delta (\mathbf {x} -\mathbf {x} ')} には、次の基本解存在する。 Φ 2 D ( x , x ′ ) = − | x − x ′ | 2 8 π ( ln ⁡ | x − x ′ | − 1 ) , Φ 3 D ( x , x ′ ) = | x − x ′ | 8 π {\displaystyle \Phi _{2D}(\mathbf {x} ,\mathbf {x} ')=-{\frac {|\mathbf {x} -\mathbf {x} '|^{2}}{8\pi }}(\ln |\mathbf {x} -\mathbf {x} '|-1),\quad \Phi _{3D}(\mathbf {x} ,\mathbf {x} ')={\frac {|\mathbf {x} -\mathbf {x} '|}{8\pi }}}

※この「重調和方程式」の解説は、「基本解」の解説の一部です。
「重調和方程式」を含む「基本解」の記事については、「基本解」の概要を参照ください。

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