部行と麟角喩
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/01/07 08:46 UTC 版)
倶舎論巻第十二では、独覚には部行(ぶぎょう)独覚と麟角喩(りんかくゆ)独覚の2種があるとする。部行独覚と麟角喩独覚は説一切有部の論書に説かれるもので、前者は仲間を組んで修行する独覚、後者は修行の伴侶をもたずに独りでいる独覚を麒麟の一本の角に喩えたものである。部行独覚は、先に声聞であった時に不還果までを得た人が阿羅漢果を証する時に仏の教導を離れて独り自ら覚るのをいう。麟角喩独覚は、独居して100大劫の間に善根功徳を積んで独り覚る者をいう。麟角喩独覚に相当するものはパーリ上座部にもある。初期教典『スッタニパータ』の「犀の角」(33-75)では、独りで覚る人の生活がサイの角に譬えられ、この詩頌の示すところは部派教典において辟支仏に結びつけられた。
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