過去における濫用
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/15 14:30 UTC 版)
頭型は、脳を入れている頭部の形を示しているので、考案されて以来、欧米では人類学者はもちろん一般にも大きな関心を呼んだ。人種によって大きな差があることが分かり、人種分類の重要な項目とされた。白色人種群では北方人種と地中海人種が長頭から中頭、アルプス人種と東欧人種が短頭、黄色人種群では古モンゴロイドに長頭が多く、新モンゴロイドに短頭が多い、黒色人種群では長頭が多いという具合である。このような人種間の差が何を意味するかについても研究されたが、19世紀から20世紀初めにかけては欧米諸国での人種偏見の著しい頃であり、白人優越思想が強かったこともあって、頭型の違いは人種間の知能や能力の差を表しているとする説が広く信じられた。白色人種が有色人種より優れているというだけでなく、同じ白人同士でも、長頭に傾いているとされるドイツと、短頭が多いフランスが、それぞれ自国が優秀だと論争したのがその一例である。
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