連鎖反応の機構
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/03/05 22:19 UTC 版)
「連鎖反応 (化学反応)」の記事における「連鎖反応の機構」の解説
連鎖反応は複数の段階からなる反応であり、それぞれの段階に名前が付けられている。 連鎖反応が開始されるためには、まず何らかの反応により連鎖担体が生成する必要がある。この反応を連鎖開始段階 (chain initiation) という。ラジカル連鎖反応の開始には過酸化ベンゾイルやアゾビスイソブチロニトリルなど熱や光によってラジカルを容易に生成する開始剤を用いることが多い。イオン連鎖反応の開始には強酸や強塩基が使用される。 一旦連鎖担体が生成すれば、連鎖担体が反応物として消費される段階と連鎖担体が生成物として再生されるサイクルが始まる。このサイクルを連鎖成長段階 (chain propagation) という。 最終的には連鎖担体が何らかの反応により安定な物質へと変化して反応が停止する。この反応を連鎖停止段階 (chain termination) という。 また反応によっては2種類以上の連鎖担体が関与する場合がある。ある連鎖担体から別種の連鎖担体が生成するような反応は連鎖移動段階(chain transfer)という。 連鎖担体と連鎖移動や連鎖停止を起こしやすい物質は連鎖反応を妨害する。このような目的で系に添加される物質は阻害剤 (inhibitor) と呼ばれる。空気による酸化を防ぐために添加される酸化防止剤や重合を防ぐために添加される重合禁止剤は阻害剤の一種である。
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