連邦劇場計画の遺産
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/06/21 05:05 UTC 版)
こうした検閲事件などで、政府からも観客からも演劇人からも非難されたFTPではあるが、大きな遺産をアメリカの演劇や映画の歴史に遺した。打ちひしがれた国民に娯楽を提供し、リビング・ニュースパーパーや社会派演劇などさまざまな演目を残したこともさることながら、最大の遺産はその維持・育成した人材である。この計画により、素質のいかんを問わず、多くのスタッフや役者たちが大不況下においても演劇を続けることができ、アメリカの演劇は断絶することを免れた。また若い演劇人にも制作や出演など多くの機会を与えた。一部を例に挙げると、アーサー・ミラー、オーソン・ウェルズ、ジョン・ハウスマン、エリア・カザン、マーク・ブリッツスタイン、アーサー・アレント、アブ・フェダーなどは、FTP時代の作品を通して地位を確立し、後に演劇界や映画界を背負って立つようになった。連邦劇場計画がなければ、彼らは大不況の中で大きな発表の機会には恵まれなかったであろう。
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