近日点付近で生じた6本の尾
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/02/15 03:34 UTC 版)
「クリンケンベルグ彗星」の記事における「近日点付近で生じた6本の尾」の解説
1744年の3月1日頃に、クリンケンベルグ彗星は近日点に達した。このとき彗星は太陽から0.2 AUの位置にあった。この時点で日中でも肉眼で観察できるほどに彗星は明るくなっていた。近日点から離れるときには壮大な尾が1本現れた。朝の薄明かりの中では彗星の頭は見えなかったにも関わらず、尾は水平線上に伸びていた。1744年3月上旬にはシェゾーや他の観察者が地平線上に6本の尾が扇状に広がって現れるというとても珍しい現象を報告した。 クリンケンベルグ彗星の尾の構造は長い間天文学者を悩ませた。他の彗星でも複数の尾が生じることはあったが、この彗星のように6本の尾が生じることは今までになかったからである。この現象は、クリンケンベルグ彗星には尾を生成する活動的なガス・塵が3つもあり、それによって扇状の尾が生成されたと示唆されている。クリンケンベルグ彗星の尾の現象は、ウェスト彗星やマックノート彗星などの彗星に見られるような、塵の尾の顕著な例であるという説が提案されている。
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