農薬としての昆虫
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/12/11 04:33 UTC 版)
日本の法律(農薬取締法)は、農作物を害する昆虫、ダニ、細菌などの防除に使われる薬剤のみならず、防除に有益な天敵をも一括して農薬と整理した。このため、農薬として登録されている昆虫、クモ、ダニ、細菌、ウイルスなどがあり、これらは生物農薬とも呼ばれる。これらは法律上は農薬であるため、用法、用量、販売にも規制がある。現在日本で登録されている天敵昆虫には、オンシツツヤコバチ、ヨコスジツヤコバチ、タイリクヒメハナカメムシ、ヤマトクサカゲロウ、ナミテントウ、コレマンアブラバチなどがある。こうした天敵農薬による生物的防除としては、19世紀末のアメリカにおいて、イセリアカイガラムシの大発生を原産地オーストラリアにおける天敵ベダリアテントウの導入によって防いだ例などが知られ、成功すれば大きな効果を上げるものの、目的の害虫以外の虫が攻撃され大被害を受けることも珍しくないため、導入には細心の注意が必要である。
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