辛嶋静志の説
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/04/09 02:09 UTC 版)
辛嶋によれば、『盂蘭盆経』は『出三蔵記集」など成立の早い経録や『経律異相』では『盂蘭経』と記され、『盂蘭盆経』の題は『大周刊定衆経目録』、『開元釈経録』など比較的成立の遅い経録と宗密による注釈に現れるという。そのため、「盂蘭盆」は一語と見るべきでなく、「盂蘭」と「盆」の複合語と解すべきであるという。そしてサンスクリットにおけるdはパーリ語やガンダーラ語を含む中期インド語においては(時として)lとなること、漢訳における音写では語末の母音は省略される傾向にあることから、サンスクリットodana(オーダナ)から派生した中期インド語としてolana(オーラナ)を想定することができ、「盂蘭」とは、このolanaの語末母音の欠落した形olan(a)の音写語であるという。それゆえ、盂蘭盆とは、「a bowl for boiled rice」、すなわち、炊かれた米飯(olana)を盛った容器(盆)を意味するという。
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