贈与と霊的な力
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/11/14 15:23 UTC 版)
モースは、贈り物は人に対してでありつつも、神々や霊、自然の存在を念頭になされている点を指摘した。この世にある物の真の所有者は神々や霊であり、したがって交換が必要な相手、交換が危険な相手、そして交換が容易な相手も彼らだという思想にもとづく。モースはこの点を契約=供儀につなげて考察し、アラビア語のサダカ、ヘブライ語のツェダカ( zed aqua )などの施しの体系化に通じるとした。 贈り物には霊的な力が宿っており、贈り物はもとの所有者や聖所に戻りたがるという性質も持つ。贈り物と霊的な力の関係について、メラネシアのマナ、ポリネシアのマオリ族のハウ、ローマ法のレス( res )、サンスクリットのラー( rah )やラティー( rath )の語を用いて説明している。
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