讃岐氏とは? わかりやすく解説

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讃岐氏

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2018/12/29 09:28 UTC 版)

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讃岐氏(さぬきし、さぬきうじ)は、日本の古代氏族。

讃岐氏
氏姓 讃岐凡直、讃岐、讃岐、讃岐朝臣[1]
始祖 神櫛皇子[3]
種別 皇別
本貫 讃岐国寒川郡神崎郷[4]
著名な人物 讃岐永直
後裔 和気氏、植田氏、神内氏、三谷氏、寒川氏、由良氏、十河氏、高松氏、高木氏
凡例 / Category:氏

神櫛皇子を始祖とする皇別氏族[注釈 1]讃岐国を本拠地とし、皇子3世が讃岐国造を賜ったことによってに始まり、同国で繁栄した氏族。

概要

神櫛皇子は12代景行天皇と五十河媛との間に生まれ[5] [注釈 2]、讃岐国に下る[注釈 3]。 『先代旧事本紀』「国造本紀」によると、応神天皇期、皇子の3世孫の須賣保禮命が国造に定められたとされる[6]。 その子孫は一時期を除き代々これを世襲し、この地域を治めた[注釈 4]敏達天皇期に「紗抜大押直」(さぬきのおおしのあたい)の姓を賜り、さらに庚午年籍で「大押」を改め「凡直」(おおしのあたい)となる。 奈良時代には「讃岐直」や「凡直」となるが、後に凡直千継(おおしのちつぐ)の時、延暦10年(791年)「讃岐公」へ改賜された[8]

平安時代に入ると、讃岐千継、広直、浄直、永直、永成など数世代にわたり明法博士を出している。讃岐永直は当時の優れた明法家として知られ、『令義解』の撰者の一人となった。承和3年(836年)弟の永成、従兄弟の当世らと供に「讃岐朝臣」を改賜されている。永直はこの時本貫を京都に移し[9]、その子孫は和気氏を称した。 永直没後の貞観6年(864年)、高作(永成の子)、時雄(当世の子)、時人(永直の子[注釈 5])が「和気朝臣」を賜姓されている[11]

讃岐氏の子孫はその後も讃岐国で繁栄し、後裔には植田氏[12][13]、神内氏[12][13]、三谷氏[12][13]、寒川氏[12][13]、由良氏[13]十河氏[12][13]、高松氏[14]、高木氏[15][14]、三木氏などの庶家が出た。

脚注

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注釈

  1. ^ 新撰姓氏録』では、右京皇別 讃岐公 - 大足彦忍代別天皇(景行天皇)皇子の五十香彦命(亦名を神櫛別命)の後、と記載されている。また、右京皇別 酒部公、和泉国皇別 酒部公もその後裔(こうえい)と記されている。
  2. ^ 一方、『古事記』では景行天皇と、針間之伊那毘能大郎女との間に生まれた皇子とされる。
  3. ^ 香川県に伝わる讃留霊王(さるれおう)伝説がある。景行天皇23年に讃留霊王は勅命を受け、南海の悪魚退治を行い讃岐国を守り、同地に留まったという。この讃留霊王について、東讃では神櫛王のこととし、西讃では武殻王(たけかいこのみこ:日本武尊の子、武卵王とも記す)とする。
  4. ^ 弁恭帝の時代に大伴系の倭故連が国造に任ぜられているが、敏達帝の時代になるとまた星直が国造に任ぜられた。『讃岐通史』ではこのことを、応神帝から弁恭帝までと、敏達帝から孝徳帝までが神櫛王系の国造で、その中間の弁恭帝から敏達帝までが大伴系の国造であったと解している[7]
  5. ^ 『古代氏族系譜集成』では、実際は当世の子と想定している[10]

出典

  1. ^ 太田 1934, pp. 2647-2648.
  2. ^ a b 太田 1934, p. 2646.
  3. ^
    神櫛皇子は、これ讚岐國造の始祖なり — 『日本書紀』巻第7「景行天皇紀」、[2]
  4. ^ 太田 1934, pp. 2646-2647.
  5. ^ 日本書紀』による。
  6. ^
    讃岐国造。軽島豊明〔応神天皇〕朝の御世、景行帝の児・神櫛王3世の孫・須賣保禮命を、国造に定め賜う — 『先代旧事本紀』「国造本紀」、[2]
  7. ^ 曽川 1926, p. 26.
  8. ^ 続日本後紀』延暦10年9月18日条に、凡直千継の改姓申請が記され、それまでの先祖の業により「讃岐公」への改姓が許可されたとある。
  9. ^ 『続日本後紀』による。承和3年(836年)永直は寒川郡の郡司であったが、本貫を寒川郡から右京へ移している。
  10. ^ 宝賀 1986, pp. 638-639.
  11. ^ 日本三代実録』による。
  12. ^ a b c d e 太田 1934, p. 2648.
  13. ^ a b c d e f 宝賀 1986, p. 640.
  14. ^ a b 宝賀 1986, p. 632.
  15. ^ 太田 1934, pp. 2650.

参考文献




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