警告色と隠蔽擬態
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/17 07:19 UTC 版)
「ミューラー型擬態」の記事における「警告色と隠蔽擬態」の解説
詳細は「警告色」を参照 ミューラー型擬態は警告色をはじめとする警告シグナルに依存している。捕食者は、警告色をもった危険生物を攻撃して一度ひどい目に合うと、その経験から学習し、その警告色を示す生物全てを忌避することになる。捕食者の種によっては、学習を必ずしも必要とせず、本能によって警告色を見分けることも報告されているが、経験から学習する場合の方がより一般的とされている。学習が関わっていることにより、周囲の環境に溶け込んで隠れるよりも、むしろ自身を周囲の環境から目立たせることで、警戒シグナルを捕食者に効率よく記憶させるという戦略が成り立つのである。こうして考えると、警告色と隠蔽擬態(ナナフシのように周囲の環境に自身の姿を似せる擬態様式)とは互いに相容れない概念であるように思われるが、実際にはそうではない。多くの動物で、普段は身を潜めているが、危険を感じて初めて、目玉模様や、腹部の鮮やかな体色を見せたり、大きな音を出したりして警告シグナルを発する、という行動がみられる。これは、両方の戦略をうまく活用している例である。生活史を通じて擬態戦略が変わる例もある。例えば、オオモンシロチョウの幼虫は鮮やかな警告色を示す一方で、成虫は羽の裏側が緑白色を帯び、これが葉への隠蔽色としてはたらいている。
※この「警告色と隠蔽擬態」の解説は、「ミューラー型擬態」の解説の一部です。
「警告色と隠蔽擬態」を含む「ミューラー型擬態」の記事については、「ミューラー型擬態」の概要を参照ください。
- 警告色と隠蔽擬態のページへのリンク