調製および反応
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2017/04/21 07:02 UTC 版)
暗藍色のSnOは、 二価のスズの塩をNaOHといったアルカリ性水酸化物と反応させた際に沈殿する酸化スズ(II) 水和物(SnO.xH2O (x<1))を加熱することによって調製できる。準安定状態の赤色のSnOは、二価のスズの塩にアンモニア水を作用させることで生じた沈殿をおだやかに加熱することで調製できる。SnOは、空気がない条件でシュウ酸スズ(II)を温度制御しながら加熱することで、実験室で純物質として調製可能である。 SnC 2 O 4 ⟶ SnO + CO 2 + CO {\displaystyle {\ce {SnC2O4->SnO\ +CO2\ +CO}}} 酸化スズ(II) は空気中で暗緑色の炎を出して燃焼し、SnO2となる。 不活性雰囲気下で加熱すると、まず不均化が起こり金属SnとSn3O4を与える。Sn3O4はさらに反応し、SnO2と金属スズを与える。 4 SnO ⟶ Sn 3 O 4 + Sn {\displaystyle {\ce {4SnO->Sn3O4\ +Sn}}} Sn 3 O 4 ⟶ 2 SnO 2 + Sn {\displaystyle {\ce {Sn3O4->2SnO2\ +Sn}}} SnOは両性物質であり、強酸に溶解するとスズ(II) 塩となり、強塩基中では Sn ( OH ) 3 − {\displaystyle {\ce {Sn(OH)3^{-}}}} を含む亜スズ酸塩となる。また、強酸溶液にも溶解し、イオン性錯体 Sn ( OH 2 ) 3 2 + {\displaystyle {\ce {Sn(OH2)3^{2+}}}} ならびに Sn ( OH ) ( OH 2 ) 2 + {\displaystyle {\ce {Sn(OH)(OH2)2^{+}}}} を与え、弱酸性溶液中では Sn 3 ( OH ) 4 2 + {\displaystyle {\ce {Sn3(OH)4^{2+}}}} となる。K2Sn2O3やK2SnO2といった無水亜スズ酸塩も知られている。 SnOは還元剤であり、いわゆる「銅赤ガラス」の製造に用いられる。
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