観測と利用研究
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/06 18:22 UTC 版)
測定に近似を必要とするX線観測による質量測定と異なり、重力源の質量を直接光学的観測により測定することができる点が特筆すべき特徴である。 銀河団による重力レンズ効果を観測することで、銀河団自体の質量を測定することが可能である。この結果とX線測定によって見積られた質量を比較すると、明らかに差がある。これは銀河団周辺に分布するダークマターによる質量が寄与しているためと考えられ、すなわち重力レンズ効果はダークマターの質量測定に用いることができる現象であると言える。 2003年(平成15年)12月18日に東京大学などの研究グループが、SDSS J1004+411にて、それまで知られていた重力レンズよりも2倍以上光が曲がる変化を発見した。 また、重力マイクロレンズを利用した太陽系外惑星の探索を、PLAN、OGLE、MOA などのチームが行っている。 2015年には、超新星としては初めて SN Refsdal が重力レンズによる多重像として観測された。重力分布から今後別の場所で新たな像が観測されることが期待され、成功すれば超新星爆発をその出現前から観察できることになる。
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