見せる時計
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/27 23:47 UTC 版)
商館時計は実用品であったが、文明開化のステータスシンボルとしての役割も持っていた。 まだ輸入数の少なかった明治20年ごろ、直径60㎜にもなる懐中時計がよく売れた。携帯に便利な小型の物もあったにもかかわらず、見栄えのする大型の物が好まれた。 時針分針は装飾のある銅製で、小さな飾り石が入ったものが多い。時計に「豪華な工芸品」という印象を与えている。視認性を重視する物はブルースチールのブレゲタイプの場合もある。時期が後の物はスペードタイプが取り付けられていることもある。文字盤も読みやすいアラビア数字ではなく、独特の書体のローマ数字が使われている。当時の人は「珍しい舶来品」というイメージで見たことであろう。 中蓋が銀枠のガラス風防である。外蓋を開けると中の機械を見ることができる。大ぶりなテンプの動き、磨かれたブリッジや歯車、軸受け石の大粒のルビーなど時計のメカニズムを「見て楽しむ」ことができる。
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