西平直による4つの位相
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/10/24 05:18 UTC 版)
「スピリチュアリティ」の記事における「西平直による4つの位相」の解説
哲学者・教育学者の西平直は、スピリチュアリティには宗教的生活、価値観、実存性、大いなる受動性の4つの位相を区別することができるとしている。 第一の位相:宗教性、宗教的生活の位相。WHOの健康定義に代表される、身体的、心理的、社会的領域と同一地平にあって、それらとは区別される第4の領域としてのスピリチュアリティである。Carroll, M. M. が、「合体的アプローチ」(integrated approach)として言及したモデルでもある。 第二の位相:価値観の位相。全人格性としてのスピリチュアリティであり、身体的、心理的、社会的の領域に分けられてしまった人格に統一性を与えるものとして位置づけられる。これはCarroll, M. M.の統一的アプローチ(unifying approach)、エルキンスらの現象学派心理学に当たるものである。 第三の位相:実存性の位相。人間の根源にある「生きる意味」の自覚に関わるスピリチュアリティ。 第四の位相:大いなる受動性の位相。「聖なるもの」や「大いなるもの」との出会いやつながり(あるいは一体感)によって、自分が「生かされている」ことを実感するものである。 第三と第四の位相は、経験の内奥に潜在する実存性や個人を超越した存在を仮定するもので、トランスパーソナル心理学などでしばしば採用される。この二つの位相には、何かしら実証ないし反証不可能な命題が含まれている。
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