複素行列の展開
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/03 13:51 UTC 版)
複素2次正方行列空間 Mat(2,C) において、単位行列を含むパウリ行列は直交基底をなす。よって、任意の複素2次行列 A は単位行列を含むパウリ行列 σμ (μ = 0, 1, 2, 3) の線形結合として、次の形で書ける。 A = s 0 I + s 1 σ 1 + s 2 σ 2 + s 3 σ 3 = ∑ μ = 0 3 s μ σ μ {\displaystyle A=s_{0}I+s_{1}\sigma _{1}+s_{2}\sigma _{2}+s_{3}\sigma _{3}=\textstyle \sum \limits _{\mu =0}^{3}s_{\mu }\sigma _{\mu }} ここで複素係数 sμ は s μ = 1 2 Tr ( A σ μ ) ( μ = 0 , 1 , 2 , 3 ) {\displaystyle s_{\mu }={\frac {1}{2}}\operatorname {Tr} (A\sigma _{\mu })\quad (\mu =0,1,2,3)} で与えられる。 また、任意の2次エルミート行列 A は単位行列を含むパウリ行列の線形結合で書いたとき、係数 sμ は実数になる。 部分偏極状態を表現するコヒーレンス行列はエルミート行列であるが、これをパウリ行列で展開した係数を要素とするベクトル(実ベクトル)はストークスベクトルと呼ばれる。ストークスベクトルは、ある種の射影空間であるポアンカレ球の座標系を作る。
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