血行動態の力学
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2014/06/11 21:10 UTC 版)
動脈の病理学的変化には、内膜の狭窄、逆に拡張する動脈瘤、そして塞栓といったものがある。動脈壁自体は外膜・中膜・内膜の3層構造からなり、中枢の太い動脈ではその大部分を占める中膜のほとんどはエラスチンを含む弾性線維によって構成されている。したがって動脈の弾性(コンプライアンス)、またはコンプライアンスの逆数であるスティフネスが血行動態に重要な影響を及ぼすことになる。一方、末梢の細い動脈においては中膜の弾性線維は少なく、逆に大部分を平滑筋が占めるため、この平滑筋の生み出す粘性が血流に対する抵抗(血管抵抗)として働いている。実際にはこの血管の弾性と粘性の両者、即ち粘弾性と、血液や赤血球などの血球のレオロジー、即ちヘモレオロジーの相互作用が血行動態に関与している。
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