藻類の群体
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2019/12/03 07:45 UTC 版)
藻類の場合、群体という用語の使い方に若干の混乱がある。 藻類には単細胞のもの、少数の細胞からなるもの、多細胞で細胞を増やして成長するものなどがある。藻類の場合、ごく近縁なグループであっても、多細胞化の程度に大きな差があることは珍しくない。その中で、多細胞藻類を群体と呼ぶ場合もある。 このうち、単細胞や、少数細胞からなるまとまった形のもの、あるいは糸状の藻体をもつものなどに、多数の藻体が、互いに寒天状の物質などを介して、一つにまとまった形を取るものがある。これを藻類では群体と呼ぶのがもっともふさわしいと思われる。 たとえばイシクラゲやネンジュモなどは、全体としては寒天質の平らな塊状であるが、顕微鏡下で見ると、数珠繋ぎの細胞からなる糸状の藻体がその中に多数あり、それぞれ互いにつながっているわけではない。これなど、藻類の群体のよい例である。往々にして『単細胞のものが分裂しても離れずにいるものを群体』という定義を見かけるが、細胞分裂しても離れなければ、それは多細胞である。藻類の場合、細胞そのものが自活できるから、多細胞であっても細胞の分化はほとんど見られないものも多い。したがって、個々の単位が明白で、多細胞には見えないような、しかも多数が寄り集まっていると見える構造、となれば、上記のようなものになる。
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