薬剤の設計
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/11/16 17:22 UTC 版)
「クロラムフェニコール」の記事における「薬剤の設計」の解説
クロラムフェニコールは水に溶解するため、ヒトが口にすると苦味を感ずることが知られている。そこで水に溶けにくくするために、例えばパルミチン酸とのエステルにしたもの、つまり、クロラムフェニコールパルミチン酸エステルの形にしたものを経口投与する。パルミチン酸は、系統名ではヘキサデカン酸となることから判るように、末端のカルボキシ基の部分を除くと、炭素15個が直線的に連なった炭化水素であり、この部分は疎水性を示す。このような理由で、クロラムフェニコールの水への溶解度に比べて、クロラムフェニコールパルミチン酸エステルの水への溶解度は低いのである。なお、クロラムフェニコールパルミチン酸エステルからは、ヒトの体内に発現しているエステラーゼ(エステル結合を加水分解する酵素)によってクロラムフェニコールが遊離される。
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