著作における表現
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/02/17 17:53 UTC 版)
カエサルの著作では、絶対奪格はしばしば文頭に置かれた。さらに多くは段落の冒頭に置かれ、その区切りを意識して使用されていたと考えられている。主要な情報と副次的な情報を区分して、前者を主文の構文に任せて後者を担い、情報伝達を明確にする役割および、 文(段落)と文(段落)を深く確実に連結する語用論的役割を持っていた。 キケローやホラーティウスの著作には以下のような表現がみられる。 Sī gladium quis apud tē sānā mente dēposuerit, repetat insāniens, reddere peccātum sit, officium nōn reddere.刀を誰かが君の手元に頭が正常な時に預けたとして、頭がおかしい状態で返してくれと言ってきた場合、返すことは間違いで、返さないのが義務というものであろう。(キケロー『義務について』 3, 95) Quid rīdēs? Mūtātō nōmine dē tē fābula narrātur.なぜお前は笑うのか。名前を変えると、その話はお前について語っているのに。(ホラーティウス『風刺詩』1. 1. 69-70)
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