茶法とは? わかりやすく解説

ちゃ‐ほう〔‐ハフ〕【茶法】

読み方:ちゃほう

茶道作法


茶法

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/11/30 13:49 UTC 版)

茶法(ちゃほう、: Tea Act)は、イギリスがアメリカ植民地へのの直送と独占専売権を、東インド会社に与えた法令。茶条令とも言う。

概要

茶法は、1773年5月10日イギリス議会で成立した法律であり、北アメリカ13植民地に対し、東インド会社が通常の関税なしに紅茶を売ることを認めたものである。この結果、植民地の商人や密貿易業者が取り扱う紅茶よりも安い価格で供給することが可能になった。その目的は、インドの凶作で破産寸前まで来ており、ヨーロッパの市場において競争力のない東インド会社を救済することだった。イギリス政府は、13植民地に対して東インド会社による独占的な紅茶輸出を目論んだのである。

茶法は紅茶に対する課税を強化するものではなかった。しかし、事態は裏目にでた。多くの植民地人が密貿易から生活の糧を得ていたので、政府主導で特定の会社に特権的な利益をもたらすような制度を好まなかった。この法の制定は、植民地における紅茶の広範なボイコットにつながり、結果としてボストン茶会事件を引き起こした。ボストン茶会事件とは、自由の息子達を標榜する植民地人達がアメリカ先住民の格好をして集まり、ボストン港に停泊していた東インド会社の船ダートマスエレノア、およびビーバーから342箱の紅茶を海に投じたものである。この法とイギリス政府によって採られた一連の政策は、イギリス政府に対する植民地人の鬱憤を積もらせることになり、アメリカ独立戦争の多くの原因の一つとなった。

茶法のロングタイトル

イギリス議会が採択した茶法のロングタイトルは下記のとおりである。なお、ロングタイトルとは、イギリスの法律でショートタイトル(本稿の場合、茶法、the Tea Act)の次に法の目的や適用範囲を示す長い記述のことであり、その後に法の本文が来る。

イギリスのアメリカにおける植民地または農園すべてに対する紅茶の輸出において関税の引き去りを許可する法;インド会社販売部で売られるボヒー茶の在庫量を増やす法;東インド会社が紅茶を無税で輸出することについて財務委員会が免許を与える権限を与える法[1]

茶法より以前の対植民地政策

脚注

  1. ^ An act to allow a drawback of the duties of customs on the exportation of tea to any of his Majesty's colonies or plantations in America; to increase the deposit on bohea tea to be sold at the India Company's sales; and to impower the commissioners of the treasury to grant licences to the East India Company to export tea duty-free.

関連項目

外部リンク


「茶法」の例文・使い方・用例・文例

Weblio日本語例文用例辞書はプログラムで機械的に例文を生成しているため、不適切な項目が含まれていることもあります。ご了承くださいませ。



茶法と同じ種類の言葉


固有名詞の分類


英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「茶法」の関連用語

茶法のお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



茶法のページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
デジタル大辞泉デジタル大辞泉
(C)Shogakukan Inc.
株式会社 小学館
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアの茶法 (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。
Tanaka Corpusのコンテンツは、特に明示されている場合を除いて、次のライセンスに従います:
 Creative Commons Attribution (CC-BY) 2.0 France.
この対訳データはCreative Commons Attribution 3.0 Unportedでライセンスされています。
浜島書店 Catch a Wave
Copyright © 1995-2025 Hamajima Shoten, Publishers. All rights reserved.
株式会社ベネッセコーポレーション株式会社ベネッセコーポレーション
Copyright © Benesse Holdings, Inc. All rights reserved.
研究社研究社
Copyright (c) 1995-2025 Kenkyusha Co., Ltd. All rights reserved.
日本語WordNet日本語WordNet
日本語ワードネット1.1版 (C) 情報通信研究機構, 2009-2010 License All rights reserved.
WordNet 3.0 Copyright 2006 by Princeton University. All rights reserved. License
日外アソシエーツ株式会社日外アソシエーツ株式会社
Copyright (C) 1994- Nichigai Associates, Inc., All rights reserved.
「斎藤和英大辞典」斎藤秀三郎著、日外アソシエーツ辞書編集部編
EDRDGEDRDG
This page uses the JMdict dictionary files. These files are the property of the Electronic Dictionary Research and Development Group, and are used in conformance with the Group's licence.

©2025 GRAS Group, Inc.RSS