原仙作とは? わかりやすく解説

原仙作

(英語標準問題精講 から転送)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/06/12 15:31 UTC 版)

原 仙作(はら せんさく、1908年9月14日 - 1974年7月9日 )は英語教師英文学者。旺文社にて編集顧問を務め、大学受験生向けの英語の参考書の著者として活動した。弟は画家の原覚[1]

略歴

長崎県諫早市出身[2]海星中学校を経て1931年長崎高等商業学校(現在の長崎大学経済学部)を卒業し、日本統治下の朝鮮に渡って龍山公立中学校の教諭となる。終戦直後に米軍政長官付き通訳官兼参謀二課翻訳官を務めたあと、1946年5月に日本へ引き揚げ旺文社の主幹となり、1948年編集顧問となる。そのかたわら1950年から1956年まで開成高等学校講師、その後は千葉大学工業短期大学部明治大学青山学院大学実践女子短期大学で非常勤講師を務める。代々木ゼミナール講師としても活躍[3]武蔵野女子大学専任講師を経て、1973年より短期大学部教授に就任するも、肺がんのため[2]1974年7月9日に死去[4]

受験参考書

戦前および戦後においては、その著書『英文標準問題精講』(『原の英標』と呼ばれる。現在までに950万部以上を発行)、『和英標準問題精講』、『英文法問題標準精講』(旺文社)は大学受験生のバイブルとして広く用いられた。開成高等学校にて教鞭をとり、そこでの弟子とされる中原道喜(2015年6月逝去[5])が同シリーズの補訂を行い、近年シリーズも増やし21世紀においても出版され続けている。大学用教科書には『日本文学英訳演習』(北星堂書店)などがある。また旺文社『螢雪時代』の前身である『受験旬報』では「英語問題の研究」などの記事を執筆した。

『英文標準問題精講』は龍山公立中學校(韓国。当時は日本統治下)で英語教師をしていた昭和8年(1933年)、原仙作が25歳の時に刊行された。なお、1936年(昭和11年)頃の『英文標準問題精講』の定価は1円だった[6]

著書

  • 『英文標準問題精講』旺文社 1933
  • 『和英標準問題精講』旺文社 1938
  • 『米英新語辞典』編 旺文社 1949
  • 『英文法標準問題精講』旺文社 1966
  • 『和英標準問題精講 原の「和標」 4訂版』中原道喜補訂 旺文社 1981
  • 『和英標準問題精講 5訂版』花本金吾改訂 旺文社 1991

共著

  • 『英語の傾向と対策』片山寛共著 旺文社 1955
  • 『英語の傾向と対策 昭和32年版』J.B.ハリス共著 旺文社 1956
  • 『英語の傾向と対策 昭和33年度版』黒田巍, J.B.ハリス共著 旺文社 1957
  • 『英作・文法の傾向と対策』海江田進, J.B.ハリス共著 旺文社 1958
  • 『英文解釈の傾向と対策 昭和34年版』梶木隆一,J.B.ハリス共著 旺文社 1958

関連文献

著名な欧米の作家の小説、評論を題材にしている。

脚注

  1. ^ 4月20日おはようございます”. 2020年9月24日閲覧。
  2. ^ a b 「原仙作氏」『読売新聞』、1974年7月10日、朝刊19面。
  3. ^ 祐本寿男 1994, p. 187
  4. ^ 佐藤晴雄 2012
  5. ^ 「現代文 標準問題精講」上梓しました。 榊邦彦's Official Blog 2015年7月26日 ※榊こと神田邦彦も開成の教諭である。
  6. ^ 『高等学校・専門学校・大学予科入学試験問題詳解:附・入学試験要項競争率一覧 昭和11年度』(欧文社、1936年(昭和11年))のうしろに、『英文標準問題精講 付出典解説 第15版』(原仙作先生著、278ページ、欧文社)の広告が載っていて、その広告によれば、定価は1円であり、送料は8銭である。

参考文献






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