英文解釈教室
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/03/11 01:08 UTC 版)
英文解釈教室(えいぶんかいしゃくきょうしつ)は、伊藤和夫の代表的な学習参考書。研究社刊。受験生がどう頭を働かせれば、英文の構造を読み解けるのかを伊藤による独自の体系でまとめた1冊である[1]。
概要
「直読直解」を理想とし、英文を構造ごとに15の章にわけ、解説している。受験英語教育が単語主義、熟語主義に陥りがちな中、英文を読む際に基本的に離れられない原則論を展開する方法は、当時から"奇異"との声も多く上がったが、有名大学の受験生からはバイブル的な扱いを受け、伊藤を全国的に有名にした。"that"などの働きが重要な単語への理解を重要視するのが、伊藤の独特の方法論である。
発刊から約20年後の1996年には、『英文解釈教室』では難しいと感じる受験生のために、『英文解釈教室 基礎編』・『英文解釈教室 入門編』も発刊された。しかしその頃には、本書以外の同様の参考書が多く出版されており、本書を読む者も激減した。正編の出版から40年以上経った現在では、翻訳家など英語を使った職業の人間にも、この本で英語を学んだと言う者も多いが、伊藤流のクセや誤読が残り、ライティングやスピーキングなどの能動的英文発信ができない者が多い[1]。
当時(1980年代)の英文読解参考書は本書か原仙作の『英文標準問題精講』しか選択肢が無かったため、現在の表現であるMARCHや関関同立受験生まで多くの受験生から支持を受けた『英文解釈教室』であるが、本書だけでは語彙数/単語数が足りず、本書一冊に読解を絞って受験校を全滅するものが続出した。
章構成
英文解釈教室
- 主語と動詞
- 目的補語
- that節
- what節
- 倒置形
- 同格構文
- It... that...
- 意味上の主語
- 関係詞
- 修飾語の位置(1)
- 修飾語の位置(2)
- 比較の一般問題
- 比較の特殊問題
- 共通関係
- 挿入の諸形式
英文解釈教室 入門編
- 動詞か名詞か
- 名詞か形容詞か
- 自動詞か他動詞か
- 直接目的語か目的補語か
- 形容詞か副詞か
- 副詞か前置詞か
- 直接法か仮定法か
シリーズ
- 英文解釈教室(1977年) ISBN 978-4-327-76144-8
- 英文解釈教室 基礎編(1996年) ISBN 978-4-327-76398-5
- 英文解釈教室 入門編(1996年) ISBN 978-4-327-76403-6
- 英文解釈教室 改訂版(1997年) ISBN 978-4-327-76412-8
- 英文解釈教室 新装版(2017年) ISBN 978-4-327-76487-6
脚注
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