花序と小穂の詳細
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/01 00:51 UTC 版)
「メリケンカルカヤ」の記事における「花序と小穂の詳細」の解説
上記のようにこの植物の花序は総の軸に小穂が並ぶ形を取るが、その細部はなかなか複雑である。まず軸に並ぶ小穂には2形があり、柄がなくてそのまま基部が主軸に接する無柄小穂と、軸から伸びる柄を持つ有柄小穂がある。有柄小穂の柄は無柄小穂の基部から出ており、この2つが1つのセットを作り、それが軸に並んでいる。このような2形の小穂が1つのセットを作るのは他にも例が多く、その場合、有柄小穂の方が種子を作らないことも多い。が、本種の場合、それが極端で、小穂そのもの、つまり頴や花の構造は全く存在せず、柄のみが存在する。つまり有柄小穂の存在はその柄だけでしか確認できない。その柄は長さ4-5mmで、無柄小穂よりやや長く、また全体に柔らかい毛が出ている。この毛は長さが8mmを越える。またこの毛は開出、つまり柄に対して直角に近い大きな角度で出ている。 無柄小穂は長さ3-4mmで、輪郭は披針形をしている。2小花からなるが、基部側の第1小花は退化して護頴のみを残し、第2小花が両性花として結実する能力を持つ。1対の包頴はほぼ同形で、質は厚く、脈は明かでない。第1小花の護頴は薄い膜質で、縁に近く細い脈が2本走る。第2小花の護頴は他の頴よりずっと小さくて膜質だがその主脈は突き出して長さ1-2cmにも達する細い芒となっており、この部分は小穂全体から突き出して伸びている。 上記のようにこの植物では総の軸の関節で折れて散布体となる。従ってそこには小穂1セット分の総の軸に無柄小穂と有柄小穂の柄が付いており、軸と有柄小穂の柄から生じる長く細い毛に覆われている。この毛が風を受け、散布体の分散に預かる。 若い総を苞から出した様子 総の束 綿毛が膨らんでいる状態の穂
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