興善寺 (奈良市十輪院畑町)とは? わかりやすく解説

Weblio 辞書 > 辞書・百科事典 > 百科事典 > 興善寺 (奈良市十輪院畑町)の意味・解説 

興善寺 (奈良市十輪院畑町)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/11/11 07:15 UTC 版)

興善寺

興善寺
所在地 奈良県奈良市十輪院畑町12
位置 北緯34度40分35.34秒 東経135度50分0.13秒 / 北緯34.6764833度 東経135.8333694度 / 34.6764833; 135.8333694座標: 北緯34度40分35.34秒 東経135度50分0.13秒 / 北緯34.6764833度 東経135.8333694度 / 34.6764833; 135.8333694
山号 法林山(扁額)
法輪山
宗派 浄土宗
本尊 阿弥陀如来
中興年 天正年間
中興 慶誉和尚
正式名 法林山興善寺
文化財 源空、証空等自筆消息2巻(附:木造阿弥陀如来立像、漆塗筒形納骨器)(重要文化財)
法人番号 8150005000122
テンプレートを表示

興善寺(こうぜんじ)は、奈良市十輪院畑町にある、浄土宗の寺院。山号は法輪山[1]

歴史

創建の詳細は不詳だが、古くは元興寺の「奥之院、奥之坊」であったといわれ、元興寺の子院であったと伝わる[1]天正年間に慶誉和尚が堂を建立して中興し、知恩院に属した[1]慶長8年(1603年)3月9日、興善寺内地子の赦免状が出されている[1]

伽藍

本堂

桁行柱間三間(実長五間)、梁行柱間五間(実長五間)、広縁を巡らせている[2]。寄棟造・本瓦葺、正面に一間の向拝を持つ[2]慶安2年(1649年)、第7世長誉上人による再建である[1]

本堂脇壇には、善導大師円光大師の両祖師像と、7世長誉上人の木彫像を祀る[2]

観音堂

奈良坊目拙解にも存在が残されている[2]。中央に木造阿弥陀如来立像、左に十一面観音立像、役行者像、弘法大師像、右に不動明王像を祀る[2]。このうち阿弥陀像、役行者像等はもと公納堂にあったもので、現在も毎月公納堂町の人々が参詣する[2]

納骨位牌堂

平成4年まで、鐘楼があった。鐘楼は梵鐘が戦時供出されたため堂のみが残っていた[2]が、納骨堂に建て替えられた。内部には石仏の阿弥陀三尊像を祀っている。

文化財

重要文化財

  • 源空、証空等自筆消息 2巻(附:木造阿弥陀如来立像1躯、漆塗筒形納骨器1箇)
本尊の木造阿弥陀如来立像の像内より、1962年昭和37年)に源空証空らの自筆消息が発見された[2]。紙背に結縁交名が記され、別に漆塗筒形納骨器も取り出され、本尊含めいずれも重要文化財に指定された[2][3]。源空の書状は絶無といわれており、証空らの真筆も極めて稀であったため、非常に重要な発見であった[2]
本尊の右足枘内外側に墨痕がかすかに見られ、原銘の一部と見られている[2]。左足枘内外側には、この阿弥陀像がもと東山内田原(今の奈良市都祁辺り[4])にあったと後筆で銘記されている[2]。紀年は「◻︎正十七年四月廿◻︎日」と読め、地元を離れる際に記されたと思われるが、永正17年(1520年)か天正17年(1589年)かははっきりしない[2]

その他

  • 石造阿弥陀三尊像
鎌倉時代の造立である[2]大きな阿弥陀石仏を、位牌納骨堂に安置している。中尊に阿弥陀如来、両脇侍に観音菩薩地蔵菩薩を配した三尊仏は珍しく、室町時代に多く見られた阿弥陀・地蔵を併刻した双石仏の先駆とも見られる[2]

出典

  1. ^ a b c d e 角川日本歴史大辞典 29巻 奈良県 p.439
  2. ^ a b c d e f g h i j k l m n o 奈良市史 社寺編 p.115
  3. ^ 「古文書」として重要文化財に指定されており、阿弥陀如来像は重要文化財の「附」(つけたり)扱いになっている。
  4. ^ 興善寺公式サイト 起源

参考文献

  • 角川地名大百科辞典編纂委員会編「角川日本地名大辞典29 奈良県」、角川書店、1990年3月、ISBN 9784040012902
  • 奈良市史編集審議会編『奈良市史 社寺編』、吉川弘文館、1985

関連項目

外部リンク



このページでは「ウィキペディア」から興善寺 (奈良市十輪院畑町)を検索した結果を表示しています。
Weblioに収録されているすべての辞書から興善寺 (奈良市十輪院畑町)を検索する場合は、下記のリンクをクリックしてください。
 全ての辞書から興善寺 (奈良市十輪院畑町) を検索

英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「興善寺 (奈良市十輪院畑町)」の関連用語

興善寺 (奈良市十輪院畑町)のお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



興善寺 (奈良市十輪院畑町)のページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアの興善寺 (奈良市十輪院畑町) (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。

©2025 GRAS Group, Inc.RSS