自然法的理解の強調
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/09/15 14:35 UTC 版)
しかしこの経典の如き扱いにもかかわらず、日本における国際法の理解が急速に進んだかといわれれば疑問とせざるを得ない。『万国公法』の日本における受容は、中国のそれ以上に自然法的性格が強調された理解が一般に通行した。一例を挙げるとさきに挙げた『万国公法訳義』は「(万国)公法は恕の道一筋のみ」と「公法」を定義する。この「恕」とは『論語』里仁編に登場することばであり、他者に対し自分のことのごとく思いやることを意味し、儒教倫理における基本概念である。すなわちこの一文は他国を自国の如く思いやることを説いていることになり、ルールとしての法が道徳倫理的に理解受容されたことを意味しているのである。
※この「自然法的理解の強調」の解説は、「万国公法」の解説の一部です。
「自然法的理解の強調」を含む「万国公法」の記事については、「万国公法」の概要を参照ください。
- 自然法的理解の強調のページへのリンク