義肢の機能
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/15 05:02 UTC 版)
部品としての機能はもちろん、装着感や重量にも注意が払われる。たとえば欠損率の大きい四肢を補う場合、多機能化で複雑なパーツを使用せず、単純な構造とすることがある。 義足の場合では一般に、膝関節の有無で活動レベルに大きな違いが出る。膝関節が残っていると屈伸運動が可能であるため、脛より下は単純な棒で代用されることもある。この場合では、訓練次第で走ることも可能となる。 しかし、膝関節を喪失している場合、屈伸する機能を膝継手として義足側に持たせなければならず、この膝義足が体重を支えられなければ立つことができない。しかし膝が曲がらなければ歩き難く、走ることは困難である。このように膝機能の有無は義足に求められる機能も決定的に異なり、装着者の生活の質に大きく影響することから、膝上から足を切断する必要があった場合に、切断した足の踵を流用し水平方向に180度反転して膝上大腿に接ぎ膝と同じ機能を持たせた移植手術(ローテーション)が行われた例もある(腫瘍の転移があった場合はできない)。 義手には手の機能の代用として「カギ爪」のようなものも存在するが(ピーター・パンに出てくるフック船長の腕を思い出すとよい)、後腕の筋肉で操作するピンセットのような「物をつまむ」ことが可能な義手や、さらには筋電位測定とマイクロコンピュータを利用して、モーターの力で実際の手のように掴んだり離したりの動作が可能な筋電義手も開発・実用化されている。 最新の物では、直接神経に接続された電極で神経電位を計測、訓練すれば自分の腕のように操作できるタイプも登場しており(スターウォーズのアナキンの腕やルークの腕を思い出せば良い)、これらではコンピュータ制御により、触覚すらあるという。
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