羊毛用グレート・ホイール
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/01/21 06:07 UTC 版)
グレート・ホイール(great wheel、あるいはウォーキング・ホイール walking wheel)は人間の高さほどの大きさで、農家などで使う糸車の大きさの限界に近い。繊維を糸に紡ぐためには、このはずみ車を手で回す必要がある。一回巨大なはずみ車が回ると、小さい方の車は何度も回り、取り付けられた金属製紡錘も回転する。これはフライヤーを使っておらず、紡錘自体が回転する。 紡ぎ手が糸にもっと撚りをかけたい場合は、元になる繊維を糸車から充分離すと、糸は伸びて、紡錘に巻き取られないまま撚りがかかる。充分な量の糸ができれば、糸を紡錘に巻き取り、これを繰り返す。 グレート・ホイールの優れたところは、糸の張りを調整しやすいところにある。フライヤー式のように、はずみ車とフライヤーを共に回転させるドライブバンドを調整する代わりに、繊維を持つ紡ぎ手が糸車に歩み寄るか離れるかで糸の出具合を調整すれば良い(それゆえウォーキング・ホイールと呼ばれる)。欠点は、紡ぎ手はずっとそばで立っている必要があり、またフライヤー式とは違い、できた糸を巻き取るために一旦紡ぐのをやめなければならないことにある。
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