罪責論
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/01 06:38 UTC 版)
スサノオはアマテラスと契約を結んで和解し、いわば神の宣託によって農耕社会を支配する始祖に転化する。これは巫女組織の頂点に位した同母の〈姉〉と、農耕社会の政治的頂点に位した同母の〈弟〉によって、前氏族的な〈共同幻想〉の構成が成立したのを象徴しているとおもえる。スサノオはイザナギの宣命にそむいてまで〈ハハの国〉にゆきたいと願う。個体としてのスサノオ(政権の象徴)は神権優位の〈共同幻想〉を意識し、これに抗命したときはじめて〈倫理〉(良心や罪悪感)を手に入れることになった。異なった構成の幻想と幻想の間の矛盾やあつれきによって、〈倫理〉は生まれるのである。
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