緩増加超函数
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/02/17 04:25 UTC 版)
フーリエ変換はシュワルツ函数全体の成す空間(シュワルツ空間)をそれ自身に移す同相写像を与える。これにより、緩増加超函数のフーリエ変換を定義することができる。これには上述の可積分函数が全て含まれ、それに加えて緩増加超函数のフーリエ変換がふたたび緩増加超函数となるという利点がある。 超函数のフーリエ変換を定義するいくつかの動機は、以下のふたつの事実に由来する。ひとつめは、ƒ と g が可積分函数でそのフーリエ変換をそれぞれ ^f, ^g とするとき、フーリエ変換は乗法公式 ∫ R n f ^ ( x ) g ( x ) d x = ∫ R n f ( x ) g ^ ( x ) d x {\displaystyle \int _{\mathbb {R} ^{n}}{\hat {f}}(x)g(x)\,dx=\int _{\mathbb {R} ^{n}}f(x){\hat {g}}(x)\,dx} に従うこと。ふたつめは、任意の可積分函数 ƒ は、任意のシュワルツ函数 φ に対して T f ( φ ) = ∫ R n f ( x ) φ ( x ) d x {\displaystyle T_{f}(\varphi )=\int _{\mathbb {R} ^{n}}f(x)\varphi (x)\,dx} を満たすという条件によって超函数 Tƒ を定めることである。これらの事実により、与えられた超函数 T に対してそのフーリエ変換を、任意のシュワルツ函数 φ に対して T ^ ( φ ) = T ( φ ^ ) {\displaystyle {\hat {T}}(\varphi )=T({\hat {\varphi }})} なる関係式によって定義する。これは ^Tf = Tf^ から従う。 超函数は微分可能であり、緩増加超函数のフーリエ変換と微分および畳み込みとはやはり上述の意味で両立する。
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