結城座とは? わかりやすく解説

ゆうき‐ざ〔ゆふき‐〕【結城座】

読み方:ゆうきざ

[一]人形浄瑠璃劇場貞享元禄(1684〜1704)ごろ、説経節太夫初世結城孫三郎江戸葺屋(ふきや)町に創設したという。天保の改革後、猿若町移転し幕末まで存続

[二]糸操り人形一座明治中期、9世結城孫三郎創始。現在、東京都小金井市本拠として活動している。


結城座

読み方:ユウキザ(yuukiza)

江戸人形浄瑠璃劇場名。


結城座

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/03/13 06:24 UTC 版)

結城座(ゆうきざ)は、江戸時代前期頃に結城孫三郎(初代)江戸葺屋町(現在の東京都中央区日本橋人形町付近)に創設した劇場。説経浄瑠璃が演目だった[1]がこれが衰退すると義太夫節人形浄瑠璃を演じるなどした[2]。その後は移転を繰り返し幕末まで続いた[3]。明治になり、結城孫三郎(9代)が、これまでの演目に加え、糸あやつり新派劇を演ずる劇団として組織し[1]結城孫三郎(10代)が東京都武蔵野市吉祥寺に再興した[3]。2009年に公益財団法人となり公益財団法人江戸糸あやつり人形結城座として存続している[4]


注釈

  1. ^ 同じく斎藤月岑の著作である『武江年表』でも江戸鹿子[14]、江戸図鑑綱目[15]を引用しており、『堺町浄瑠璃土佐掾、葺屋町和泉大夫、甚右衛門町江戸半太夫、説経座、堺町天満八太夫、霊厳島吾妻新四郎、堺町江戸孫四郎』とある[16]
  2. ^ 元禄頃の重版『ぼん天国』の発見と水谷弓彦の著作により天満八太夫と同一人物であるとされている[18]
  3. ^ または『大薩摩杵屋系図』。
  4. ^ 元禄頃の重版『ぼん天国』の発見と水谷弓彦の著作により天満八太夫と同一人物であるとされている[20]
  5. ^ 仮に、この重太夫が天満重太夫を指すとするなら江戸総鹿子[14]、江戸図鑑綱目[15]にその名を見ることができる。
  6. ^ 劇場年表と記しているが五弓久文『劇場年表』ではなく、黒木勘蔵同様に関根只誠『戯場年表』が出典であると考えられる。
  7. ^ 水谷弓彦は『貞享二年の『役者三座詫』には、堺町天満八太夫にならび「出来山藝づくし」を一軒隣に、江戸孫四郎(結城)説経芝居があり[27]』と記述しており、この記述と一致する図を喜田川守貞が『貞享二年印行野郎三座記[28]』として引用している。秋山清(木芳)もまた『貞享二年印行野郎三座記所載[25]』として引用している。但し、水谷弓彦の記述『江戸孫四郎(結城)説経芝居』にある括弧の『(結城)』の文字は他の二つには記載されていない。
  8. ^ 水谷弓彦は結城孫四郎とされる法蔵比丘の正本の存在を記している[31]
  9. ^ 結城孫三郎と結城孫四郎を結城一派[31]とする記載もある。
  10. ^ 歌舞伎年表によれば寛文11年に江戸孫三郎が堺町で興行した記述がある[33]。江戸孫四郎には人形を三人で扱った図[30]が『役者絵づくし』にあって、これについては三田村鳶魚の著述[34]が詳しい。
  11. ^ いずれの項目も参考文献に若月保治『古浄瑠璃の新研究』を挙げている。
  12. ^ 題簽の左に『あみだの本地、結城孫〇郎』とあり結城孫三郎の絵入正本と考えられていた[44]が、正徳3年版のものにより確定した[45]
  13. ^ 原文まま。判読しづらかったものと思われる。

出典

  1. ^ a b c 諏訪春雄 1993, p. 262.
  2. ^ a b 山本二郎 1993, pp. 266–267.
  3. ^ a b 諏訪春雄 1994, p. 930.
  4. ^ 特定非営利活動法人CANPANセンター.
  5. ^ 中野三敏 1988, p. 327.
  6. ^ 津村淙庵 1795, p. 218.
  7. ^ 稀書複製会 1934, p. 11.
  8. ^ 若月保治 1943, p. 663.
  9. ^ 浅井了意 1662, p. 21.
  10. ^ 若月保治 1961 pp. 473-474
  11. ^ 加藤曳尾庵 1907, p. 77.
  12. ^ 村井益男1980 pp. 344-345
  13. ^ 松濤軒斎藤長秋 1834, p. 10.
  14. ^ a b c 江戸叢書刊行会 1916, p. 276.
  15. ^ a b c 石川俊之 1689, p. 17.
  16. ^ 斎藤月岑 1849, p. 25.
  17. ^ 斎藤月岑 1847, p. 11.
  18. ^ a b 水谷弓彦 1916, p. 54.
  19. ^ 斎藤月岑 1961 pp. 179-182
  20. ^ 水谷弓彦 1916.
  21. ^ 演芸珍書刊行会 1914, p. 160.
  22. ^ 喜多村筠庭 2009, p. 315.
  23. ^ a b c 喜多村信節 1932, p. 341.
  24. ^ 伊原敏郎 1956, p. 96.
  25. ^ a b 秋山木芳 1917.
  26. ^ 黒木勘蔵 1943, p. 96.
  27. ^ 水谷弓彦 1936, pp. 219–221.
  28. ^ 喜田川季荘 1837, p. 28.
  29. ^ 不明 1688, p. 68.
  30. ^ a b 古山師重 1920, pp. 12.
  31. ^ a b c 水谷弓彦 1936, p. 223.
  32. ^ 水谷弓彦 1936, p. 221.
  33. ^ 伊原敏郎 1956, p. 112.
  34. ^ 三田村鳶魚 1977, pp. 179–185.
  35. ^ 三田村1978
  36. ^ 結城座 歴史とあゆみ
  37. ^ 結城座豆辞典 葺屋町の項目
  38. ^ 結城孫三郎 1966, p. 291(綿谷雪『糸あやつりの概説』)
  39. ^ INAX2009
  40. ^ 南江1969
  41. ^ 西山1984
  42. ^ うろこかたや三左衛門 1711, p. 11.
  43. ^ うろこかたや三左衛門 1711, p. 1.
  44. ^ a b 若月保治 1944a, pp. 840.
  45. ^ 国文学資料館.
  46. ^ 結城孫三郎 1966, p. 296(綿谷雪『糸あやつりの概説』)
  47. ^ 原盛和 1907, p. 43.
  48. ^ 喜多村信節 1932, p. 45.
  49. ^ 三田村鳶魚 1977, pp. 112–123.
  50. ^ 日刊ゲンダイ.


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