糖尿病性単神経障害
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/03/29 21:21 UTC 版)
「糖尿病性神経障害」の記事における「糖尿病性単神経障害」の解説
糖尿病性単神経障害は急性型と慢性型に分けられる。急性型には外眼筋麻痺(眼瞼下垂、複視、眼球運動制限など、特に動眼神経麻痺)、顔面神経麻痺、聴・前庭神経障害(難聴、めまい)、躯幹神経障害(胸腹部のしびれや痛み)、外側大腿皮神経障害(大腿外側部のしびれや痛み)、腓骨神経障害(下腿外側部のしびれや足背屈力低下)などが知られている。急性型糖尿病性単神経障害の特徴は発症の前後してみられる障害神経周辺の鈍痛、比較的良好な経過があげられる。糖尿病性単神経障害の多くは血管栄養神経閉塞が関係した病態と推察され、特に動眼神経麻痺は海綿静脈洞部での栄養神経閉塞が剖検例でも確認されている。糖尿病性動眼神経麻痺では瞳孔回避と言われる所見が特徴である。瞳孔回避では内眼筋麻痺に瞳孔開大が軽度になる。躯幹神経障害は胸腹部のデルマトームに一致した異常感覚、疼痛、感覚鈍麻を生じるもので肋間神経痛様の激しい症状がみられる。片側性のものが多い。胸髄神経根障害であり腰髄神経根障害では糖尿病性筋萎縮症となる。これらは炎症反応を基盤とした多発神経根炎であり脊髄炎などミエロパチーが鑑別となる。慢性型は圧迫性障害が多い。手根管症候群が代表疾患である。
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