簡単なシリーズレギュレータ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/11/19 00:41 UTC 版)
「シリーズレギュレータ」の記事における「簡単なシリーズレギュレータ」の解説
R 1 {\displaystyle R_{1}} に流れる電流 ( V S − V Z ) / R 1 {\displaystyle (V_{S}-V_{Z})/R_{1}} はツェナーダイオードの両端間電圧を保つのに必要な電流とトランジスタのベース電流の分だけなので、負荷に流れる最大電流の百分の一程度あれば足りる。負荷 R 2 {\displaystyle R_{2}} に流れる電流のほぼ全てはトランジスタのコレクタ-エミッタを経由する。負荷 R 2 {\displaystyle R_{2}} の変化により両端間電圧が変動すれば、ツェナーダイオードにより一定電位であるベースとエミッタの間の電圧変動となり、これがベース電流の変化を引き起こしてトランジスタにより負荷電流の大きさを調節し、全体として負帰還を形成して負荷電圧を安定化させる。高過ぎる分の電圧 V S − V Z {\displaystyle V_{S}-V_{Z}} はトランジスタにかかり、その分の電力は全て熱になる。 前記のシャントレギュレータにおいて直列に入れた抵抗器の役割(余分な電圧分を消費する)をトランジスタが果たしており、しかも「負帰還で自動的に電流を調節する抵抗器」になっている。そのため、シャントレギュレータにおいてツェナーダイオードに流れていた電流を削減し、負荷に必要な電流(+制御のためのわずかな電流)だけが流れる。 実際には、温度係数などの面でツェナーダイオードの降伏電圧を自由に設定するのは難がある。またベース-エミッタ間電圧も正確には算入していない。そこで通常は、オペアンプによる演算等により設定電圧と実際の電圧を比較して負帰還をかける。
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