この記事は検証可能な参考文献や出典が全く示されていないか、不十分です。 出典を追加して記事の信頼性向上にご協力ください。(このテンプレートの使い方 ) 出典検索? : "第55回菊花賞" – ニュース · 書籍 · スカラー · CiNii · J-STAGE · NDL · dlib.jp · ジャパンサーチ · TWL (2012年12月 )
第55回菊花賞 (だい55かいきっかしょう)は、1994年 11月6日 に京都競馬場 で施行された競馬 競走 である。ナリタブライアン が皐月賞 、東京優駿(日本ダービー) に続き優勝し、シンボリルドルフ 以来のクラシック三冠 を達成した。年齢は全て旧表記(数え年)にて表記。
レース施行時の状況 同年の牡馬クラシック はナリタブライアン が皐月賞 ・東京優駿(日本ダービー) に優勝した。そのため、菊花賞 において同馬クラシック三冠 を達成するかどうかが最大の焦点となった。同馬はトライアル の京都新聞杯 でスターマン に敗れたものの、同レースに出走後体調が上向いたと判断されたことや三冠達成への期待から抜けた1番人気に支持された。
同馬の対抗馬には東京優駿3着のあとラジオたんぱ賞 ・福島民報杯を連勝したヤシマソブリン 、東京優駿2着のエアダブリン 、神戸新聞杯 ・京都新聞杯を含め4連勝中のスターマンなどが挙げられた。また一部からは、かつて3200m の天皇賞(秋) を大逃げ して勝ったプリテイキャスト を母に持つスティールキャストがどのようなレースをするかが注目を集めた。
なお、同年の第61回東京優駿 において出遅れながら5着となり、10月に菊花賞と同じ芝3000mの嵐山ステークスにコースレコードで優勝したノーザンポラリス が穴馬として注目を集めたが、故障を発症したため出走することができなかった。
トライアルの結果 第42回神戸新聞杯 第48回セントライト記念 着順 競走馬名 性齢 騎手 タイム 着差 1 ウインドフィールズ 牡4 東信二 2.15.9 2 ラグビーカイザー 牡4 柴田善臣 2.15.9 ハナ 3 エアダブリン 牡4 岡部幸雄 2.16.6 4馬身
第42回京都新聞杯 着順 競走馬名 性齢 騎手 タイム 着差 1 スターマン 牡4 藤田伸二 2.12.1 2 ナリタブライアン 牡4 南井克巳 2.12.2 クビ 3 エアダブリン 牡4 岡部幸雄 2.12.3 3/4
出走馬と枠順 春のクラシック出走馬のオフサイドトラップ や、ノーザンポラリスが故障で回避、メルシーステージ が天皇賞(秋) へ路線変更等があったことや、例年であれば出走してくる下級条件馬もこの年は回避が多くクラシック競走としては異例のフルゲート割れという状況であった。
レース結果 着順 枠番 馬番 競走馬名 タイム 着差 1 3 4 ナリタブライアン R 3.04.6 2 7 12 ヤシマソブリン 3.05.7 7馬身 3 5 8 エアダブリン 3.05.8 3/4馬身 4 7 13 ウインドフィールズ 3.05.9 3/4馬身 5 1 1 スターマン 3.05.9 クビ 6 4 7 インターライナー 3.06.1 1馬身 7 5 9 ラグビーカイザー 3.06.2 3/4馬身 8 8 15 ゴーゴーゼット 3.06.7 3馬身 9 6 11 アドマイヤコール 3.06.8 1/2馬身 10 2 3 キョウトシチー 3.07.4 3馬身1/2 11 4 6 バンブーフェリーニ 3.07.8 2馬身1/2 12 6 10 フェスティブキング 3.08.1 1馬身3/4 13 2 2 マルカオーカン 3.08.3 1馬身1/4 14 3 5 スティールキャスト 3.09.0 4馬身 15 8 14 サムソンビッグ 3.11.1 大差
レース展開 一部から期待された通り、スティールキャストが序盤から大逃げを打った。ナリタブライアン・ヤシマソブリン・スターマンは馬群の中ほど、エアダブリンは後方からレースを進めた。第4コーナーでヤシマソブリンが前方へ進出を開始するとナリタブライアンがそれを追って先団に取り付き、直線では出走馬中最も早い上がり を見せ、ヤシマソブリンに7馬身の着差 をつけて優勝した。
データ 1000m 通過タイム 61.2秒(スティールキャスト) 2000m 通過タイム 122.7秒(スティールキャスト) 上がり 4ハロン 49.1秒 上がり3ハロン 36.5秒 優勝馬上がり3ハロン 34.3秒
単勝式 4 170円 複勝式 4 110円 8 140円 12 160円 枠連 3-7 370円 馬連 4-12 520円
達成された記録 ナリタブライアンの走破タイムは前年にビワハヤヒデ が記録したレースレコード 及びコースレコードを0.1秒更新するものであった。 ナリタブライアンは日本競馬史上5頭目となるクラシック三冠馬となった[1] 。 南井克巳 はクラシック三冠すべてに優勝した騎手となった。 大久保正陽 はクラシック三冠すべてに優勝した調教師となった。 レースにまつわるエピソード 当該レースの1週前に行われた天皇賞(秋)でナリタブライアンの半兄 ビワハヤヒデが屈腱炎 を発症して引退 を余儀なくされた。そのためフジテレビ 系列の実況を担当した杉本清 はナリタブライアンが先頭に立ち、勝利が確定的となった場面で「弟は大丈夫だ!弟は大丈夫だ!弟は大丈夫だ!10年振り、10年振りの三冠馬!ナリタブライアン!そして2着はヤシマソブリンで堅そうだ!ナリタブライアンだ!ナリタブライアン!三冠馬~!弟は大丈夫だ!史上5頭目の三冠馬!史上5頭目の三冠馬!10年振り!レコード~!レコード~!3分4秒6!兄貴のレコードを10分の1秒縮めました!京都競馬場、南井コール!」と実況した。 クラシック三冠馬の管理調教師 となった大久保正陽はレース後、「感無量。こういう馬に巡り会えたことが私の勲章」とコメントした。また、7馬身もの着差がついたことについてナリタブライアンの生産者である早田光一郎 に「あんなに引き離さなくてもいいよな」と語ったという。 2着となったヤシマソブリンに騎乗した坂井千明 は、「第4コーナーでナリタブライアンを一時引き離し、何とかなるのではと思ったが並ぶ間もなく逆にアッという間に引き離されてしまった」とコメントした。 この年の三冠競走全てに出走した馬はナリタブライアン以外ではサムソンビッグのみであり、このことも異例であった。 場内実況を担当したラジオたんぱ(現・ラジオNIKKEI )の北野守 アナがゴール後に「10年振り、史上5頭目の三冠馬達成!おめでとうナリタブライアン!快勝しました!」と実況した。 南井克巳騎手はこの日、通常何枚か重ねて装着するゴーグル を1枚しか付けず、2周目の3~4コーナーで外に馬を持ち出すとゴーグルを外し、素顔でゴールに達している。前を走る馬が跳ね上げる土などから目を保護するゴーグルをレース途中で外したのは、直線で他馬に交わされることはない、という自信があったからだと南井騎手はコメントしている。 脚注 1930年代 1940年代 1950年代 1960年代 1970年代 1980年代 1990年代 2000年代 2010年代 2020年代