第3場 殿中松の間
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/12/06 07:45 UTC 版)
義太夫「脇能過ぎて御楽屋に鼓(つづみ)の調べ太鼓の音。天下(てんが)泰平繁昌の寿(ことぶき)祝う直義公、御機嫌ななめならざりける。程(ほど)もあらさず塩冶判官、御前へ通る長廊下。師直呼びかけ・・・」 舞台は館の内の松の間、顔世御前につれなくされた師直は塩冶判官を侮辱し挑発する。怒り心頭となった塩冶判官は殿中であるにもかかわらず抜刀し師直に切りかかるが、控えていた者共に羽交い絞めにされる。 義太夫「立ち騒ぐ、表御門裏御門、両方打ったる館の騒動、提灯ひらめく大騒ぎ。早野勘平うろうろ眼(まなこ)走り帰って裏御門、砕けよ破(わ)れよと打ち叩き大声声(だいおんじょう)・・・」 舞台上の人物が静止画のように動きを止める。勘平が慌てて駆けつけるが門が閉ざされ館の中に入れない。逢引にうつつを抜かして主君の一大事に遅れをとったことを勘平は激しく悔やみ、館の中の塩冶判官に心から詫びる。 背景に東海道の風景が描かれた幕が引かれると勘平とおかるの道行(みちゆき)の場面となる。失意の勘平はおかるの郷里である山崎に落ちのびて行くが、またもや伴内が現れて勘平・おかるに絡む。
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