第1モデル
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/07/29 14:39 UTC 版)
第1モデルは一国の雁行発展のモデル化である。基本型と副次型(変型とも)に分けて考えることができる。後に小島は基本型を「生産の能率化」、副次型を「生産の多様化、高度化」としている。 一国の経済を見ると、低付加価値の消費財はまず輸入され、次に輸入されたものと同じもの(輸入代替品)が生産されるようになり、最終的に輸出されるという産業発展のプロセスを経る。例えば布だとまずは輸入製品が国内市場に入り込む。その後、自国で生産するようになり、さらにその製品を輸出するようになる。このような産業の発展形態を雁行形態論の基本型と呼ぶ。 基本形が多くの場合に成立する説明としては、HOS理論に基づく小島清の説明などがあったが、本人が述懐設するようにその論理は複雑で理解しにくいものであった。しかし、2014年、塩沢由典が新しい国際価値論に基づく簡単で明瞭な説明を提起している。 また、その低付加価値の消費財を生産するための低付加価値の生産財も輸入、輸入代替品、輸出のプロセスを経て、更にその低付加価値の生産財を生産する高付加価値の生産財も同じようなプロセスをめぐり継起的に繰り返される。また、消費財を見ると低付加価値な消費財の輸入、輸入代替品の製造、輸出を追いかけるように高付加価値な消費財も同じプロセスをめぐる。例えば布が雁行形態論の基本型の発展形態を遂げる上で布を生産する機械をもまた基本型の発展形態を歩む。更にはその布を生産する機械を生産する機械も基本型の発展形態を歩む。このように順々に基本型発展形態が起こっていく様を雁行形態論の副次型と呼ぶ。
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