第三者対抗要件(だいさんしゃたいこうようけん)
すでに効力の生じている権利関係の変動などを第三者に主張するための要件のこと。仮に権利者Aが、自己の権利を他人に譲渡しようと考えたとする。そして、本来このようなことは許されないが、Aは同じ権利をB、Cの2人に重ねて譲渡(二重譲渡)してしまったする。この場合は、BとCとの間でどちらが権利者であるかが争いになる。このようなとき、たとえばBが先に所定の登録手続きを済ませていれば、BはCに対して自分が正当な権利者であることを主張できる。このような場合の“所定の登録”が第三者対抗要件である。
商標権についての通常使用権は、特許庁への登録が第三者対抗要件となっている。これらについて登録をしておけば、商標権が移転した場合、新たな権利者に対しても、通常実施権、通常使用権を持っていることを主張できる。なお、特許権、実用新案権、意匠権についての通常実施権は、特許庁への登録をしなくとも第三者に対抗することができる(特許法99条)。
(執筆:弁理士 古谷栄男)
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