符号に関する規約
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/25 06:21 UTC 版)
歴史的経緯により、電極電位の符号に関して2つの規約が存在する。 「ネルンスト・ルイス・ラティマー(英語版)」規約(「アメリカ」規約とも) 「ギブズ・オストワルド・ストックホルム」規約(「ヨーロッパ」規約とも) 1953年にストックホルムで開かれた会議にて、IUPACはどちらの規約も許容されることを定めた。ただし、後者に従って表現された大きさのみを「電極電位」と呼ぶことを全会一致で推奨した。あいまいさを排除したい場合、後者に従って測定された電極電位を特に「ギブズ・ストックホルム電極電位」と呼ぶこともある。どちらの規約も、標準水素電極は0 Vの電位を持つよう定義されている。還元反応として半反応式を書いた場合、両者は同じ符号を与える。 両者の主な違いは規則の主な違いは、半反応式の左辺と右辺を反転して書いた場合、前者に従えば符号が反転するが、後者に従えば符号は変化しないという点である。符号を反転させる論拠は、反応ギブズエネルギーΔG = −nFEの符号との整合性を保つことである。ここで、nは半反応に関与する電子数、Eは前者の規約に従って定めた電極電位、Fはファラデー定数であり、標準水素電極の半反応式と釣り合いをとると考える。反応が逆に書かれるとΔGの符号は反転するが、前者にしたがえばΔG = −nFEは両辺の符号が反転し依然として成り立つ。一方、後者に従えば電極電位の符号は電位差の静電的符号と一致する。
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