立法・行政・司法
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/05 09:16 UTC 版)
モンテスキューは『法の精神』において、国家権力を立法権、万民法に関する事項の執行権(国家の行政権・執行権)、市民法に関する事項の執行権(司法権・裁判権)の三つに区別した。この考え方は現代に至るまで受け継がれており、主要国家では一般的に国家権力を立法権・行政権・司法権の三権に分類している。それぞれ、立法権を立法府(議会)に、行政権を行政府(大統領あるいは内閣)に、司法権を司法府(裁判所)に担わせる。 これらの三権は、法との関係に着目して、簡単に次のように説明される。 立法権 法律を制定する権力。 行政権 法律を執行する権力。 司法権 憲法、並びに各種の法規で裁定する権力。 立法府は一般的抽象的な法規範を定立し、行政府は個別的かつ具体的な事件に法を適用・執行する。ここで「執行」と「適用」はもともと一体のものである点に注意を要する。行政権が法を執行する際には当然、法を「適用」しなければならず、司法府は法を適用して裁定するほか、自ら「執行」もする(司法行政)。そのため行政と司法の違いは、司法権が法を適用し「終局的に裁定する」ことをその顕著な違いと解すべきである。 また行政は、立法・司法に比べて定義づけしにくい。そのため、行政の定義については、国家作用から立法と司法を控除したものとして消極的に定義する見解(控除説)が通説とされる。これは当初、すべての権力が君主に集中しており、そこから立法権が議会に、司法権が裁判所にそれぞれ移譲された歴史の流れにも沿うものである。
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