突然変異体・他品種との関係
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/05/12 07:58 UTC 版)
「カナイオーロ」の記事における「突然変異体・他品種との関係」の解説
カナイオーロ・ローザ (Canaiolo Rosa) はカナイオーロ・ネロの突然変異体である。正確な起源は不明だが、トスカーナ州のモンテカルロ(ルッカ県東南部)かリニャーノ・スッラルノ(フィレンツェ近郊)が原産地ではないかと考えられている。現在はルッカ県とフィレンツェ県でカナイオーロ・ネロと混植されていることが多く、通常は同種と混醸される。 ラツィオ州北部のヴィテルボ県にみられるカナイオーラ (Cannaiola) は、カナイオーロ・ネロと同一の遺伝因子型をもつバイオタイプ(生物型)であるが、発芽期や収穫期、樹勢など栽培上の違いのほか、葉の色・果粒の着生疎密度など形態上の違いもある。丘上の水はけがよく日射量の多い砂質土壌の傾斜地が最適のテロワールであり、条件が揃えばカナイオーロ・ネロよりも高い糖度とポリフェノール含有量を蓄えられることが判明している。 カナイオーロは他品種、とりわけワインに色味を加えるのに使用されるコロリーノと混同されやすい。それどころか、オルヴィエート DOCの赤ワインなどにブレンドされているウンブリア産「カナイオーロ・ネロ」のかなりの部分が、実際は数多くあるコロリーノ系統の一品種であると指摘されている。 カナイオーロ・ビアンコと呼ばれる白ブドウ品種が複数存在するが、いずれも別品種(ヴェルナッチャ・ディ・サンジミニャーノやヴェルメンティーノなど)の別名である。唯一の正式な「カナイオーロ・ビアンコ」はウンブリア州でドルペッジョと呼ばれている品種だが、カナイオーロ(・ネロ)の色素変異体ではなく、植栽数も減少している。
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