移動境界法
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/07/15 09:26 UTC 版)
移動境界法は直立させた直管型の電解槽の上部に測定溶液、下部に補助溶液を入れて電流を流し、その界面の移動量から輸率を測定する方法である。下部の補助溶液は、測定したい塩と共通の陰(陽)イオンを持ち、測定したい塩の陽(陰)イオンよりもイオン伝導率が低い陽(陰)イオンを持つ塩の溶液で、測定溶液より密度の大きい溶液である必要がある。その上に補助溶液と混合しないように静かに測定したい塩の溶液を入れ、界面を形成させる。管の下部に陽(陰)極、上部に陰(陽)極をおいて1Fの電気を流す。すると、陽(陰)イオンは上部に向かって移動する。ここで電解槽内のある水平面を通過した陽(陰)イオンのモル数がそのイオンの輸率と等しいことになる。測定したい塩の陽(陰)イオンの方が補助溶液の陽(陰)イオンよりもイオン伝導率が高いために上への移動が早い。そのため2種の陽(陰)イオンは混じり合うことなく、界面は破壊されずイオンの移動とともに上方へ移動する。最終的な界面の位置を通り抜けた陽(陰)イオンのモル数は、界面が通過した空間内に最初にあった陽(陰)イオンのモル数である。
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