神行法
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/02/12 14:04 UTC 版)
神行法とは道術の一種である。この術は呪力をこめた護符を足にくくりつけることにより、人並みはずれた速度で走ることが可能となるというもので、両足に1枚ずつ護符を貼れば1日で500里(約275km)、2枚ずつ貼れば800里(約440km)を駆けることができる。 また、術者だけでなく、術者本人が同行していれば他の人物にも神行法をかけることができる。ただし、同時に術をかけることができるのは1人までのようで、2人以上に神行法を使われたことはなかった。さらに、道術という性質上、術者は酒と生臭を断つことが求められる。ただし、術者だけがそうしているだけでよく、同行者にはこの制約は当てはまらない。なお、物語中では高唐州戦において李逵とともに公孫勝を迎えに行く際、いつも酒で面倒をおこす李逵に方便を使い、この制約を守るよう言いつけた。ところが李逵は戴宗の目を盗んで酒と牛肉を食べたため、これを知った戴宗は李逵に途中で止まることができなくなる神行法をかけてこれを懲らしめた。この事実を見ると、神行法は単に早く走れる術ではなく(術者本人を含め)人間の動作を操ることに本質があるように窺える。 道士が何人かいる梁山泊において、戴宗のみが使用できる道術であり、この特技により非戦闘員にもかかわらず、梁山泊においてなくてはならない存在となっていた。しかし、『水滸伝』百二十回本にのみ田虎配下の馬霊がもう一人の神行法修得者として登場する。しかも道士としての技量は馬霊の方が上で、千里(文簡本では万里)を駆けることができた。馬霊が降伏した後、戴宗は彼からこの千里を駆ける神行法を伝授された。
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