神花山古墳とは? わかりやすく解説

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神花山古墳

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/06/06 01:52 UTC 版)

神花山古墳

墳丘(右に後円部、左奥に前方部)
所在地 山口県熊毛郡平生町大字佐賀字田名沖[1]
位置 北緯33度54分38.23秒 東経132度3分31.20秒 / 北緯33.9106194度 東経132.0586667度 / 33.9106194; 132.0586667座標: 北緯33度54分38.23秒 東経132度3分31.20秒 / 北緯33.9106194度 東経132.0586667度 / 33.9106194; 132.0586667
形状 前方後円墳
規模 墳丘長30.3m
高さ2.5m(後円部)
埋葬施設 箱式石棺
出土品 人骨・鏡片・勾玉・埴輪
築造時期 5世紀前半
被葬者 20代女性1人
史跡 山口県指定史跡「神花山古墳」
地図
神花山古墳
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熊毛地域の主な古墳

神花山古墳(じんがやまこふん)は、山口県熊毛郡平生町佐賀にある古墳。形状は前方後円墳。山口県指定史跡に指定されている。

概要

古墳の所在する神花山

山口県南東部、熊毛半島付け根の平生湾に面する独立丘陵の神花山(標高39メートル)の頂部に築造された古墳である[1][2]。付近では阿多田古墳・野稲古墳(消滅)の分布が知られる[3]。戦時中に石棺が発見され人骨が出土しているほか、1988年昭和63年)に発掘調査が実施されている[1]

墳形は前方部が開かない柄鏡式の前方後円形で、前方部を東方向に向ける[1]。墳丘外表では、埴輪片(円筒埴輪・朝顔形埴輪)のほか葺石が認められる[1]。埋葬施設は薄板石による箱式石棺で、墳丘主軸に直交して長さ1.75メートル・幅0.37メートル・深さ0.35メートルを測る[4]。前述のように戦時中に棺中から人骨が出土しており、人骨は占領軍によりニュージーランドに移されたのち頭骨のみが返還され、その後の調査で20代女性と判明している(出土当時は壮年男性と想定)[1][2]。棺内では赤色顔料も認められるほか、鏡片・勾玉が出土している[4]

築造時期は、古墳時代中期の5世紀前半[5][2](または5世紀初頭[1])頃と推定される。熊毛地域では白鳥古墳(山口県で最大規模の古墳)・柳井茶臼山古墳・阿多田古墳などの築造も知られ、これらは一連の首長墓系譜をなすとされる[5]。また女性人骨の出土例としても重要視される古墳になる[2]

古墳域は1982年(昭和57年)に山口県指定史跡に指定されている[6]。現在は史跡整備のうえで公開されているほか、出土人骨の復顔像が平生町歴史民俗資料館に展示され、現地でもそれを基にした女王像が建てられている。

遺跡歴

  • 1944年昭和19年)、旧海軍の高射砲陣地構築の際に石棺発見・人骨出土[1][5][2]
  • 1982年(昭和57年)11月5日、山口県指定史跡に指定[6]
  • 1987年(昭和62年)、頭骨が20代女性と判明(長崎大学医学部の鑑定)[2]
  • 1988年(昭和63年)、発掘調査(山口県埋蔵文化財センター)[1]

墳丘

後円部墳頂
中央に箱式石棺(複製)。背景に平生湾。

墳丘の規模は次の通り[1]

  • 墳丘長:30.3メートル
  • 後円部
    • 直径:16.6メートル
    • 高さ:2.5メートル
  • 前方部
    • 幅:9.6メートル

文化財

山口県指定文化財

  • 史跡
    • 神花山古墳 - 1982年(昭和57年)11月5日指定[6]

現地情報

所在地

交通アクセス

関連施設

  • 平生町歴史民俗資料館 - 神花山古墳の出土品を展示。

周辺

  • 白鳥古墳 - 山口県指定史跡。山口県で最大規模の古墳。

脚注

  1. ^ a b c d e f g h i j 続日本古墳大辞典 2002.
  2. ^ a b c d e f 神花山古墳(平生町ホームページ)。
  3. ^ 山口県の地名 1980.
  4. ^ a b 日本古墳大辞典 1989.
  5. ^ a b c 神花山古墳(山口県ホームページ「山口県の文化財」)。
  6. ^ a b c 神花山古墳(山口県ホームページ「山口県の文化財」、文化財要録)。

参考文献

(記事執筆に使用した文献)

関連文献

(記事執筆に使用していない関連文献)

  • 「神花山古墳」『山口県史』 資料編 考古1、山口県、2000年。 

外部リンク




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